岡崎市に引き続き名古屋の名鉄百貨店本店で開催された「JOINT展」向けに作ったモデルです。「そのイベントのためのモデル」というアピールをするのに、鉄道系デパートでやるなら電車を作らない手はない!と、こちらから「作る宣言」しました。私自身はレゴのトレインシリーズを母体とした作品の経験はこれまで皆無だったのですが、よい機会なので手を挙げた訳です。 レゴトレインは通常、6ポッチ幅でできている製品が基本なのですが、これだと線路幅と車幅が同じで台車の大きさが目立つ変なプロポーションになるので、8ポッチ幅の車体にしています。また、車輪とその軸受け部分は一体の部品でいじりようがないのですが、これを2個組み合わせる台車としては、2種類の電車それぞれに造形に違いをつけるようにしています。 0231 名鉄1000系パノラマスーパー 名古屋鉄道の特急です。でも先頭車両だけです。全長もあえて短めにしています。本当はよりリアルを求めて突き進みたいところなのですが、実車両の資料が十分揃わないため諦めました。窓に使う透明スモーク部品の入手が難しかったというのも大きな理由のひとつです。 パノラマスーパーといえば前面窓が最大の特徴。微妙に左右の後退角のついた多面体的なデザインは、普通にレゴで組むには難しいですが、近年のセットによく含まれているキャノピー部品を活用することで切り抜けました。それ以外は比較的オーソドックスなつくりですが、乗降ドアの見えがかりや、窓部品を横倒し使いにしてスマートな感じを出しています。 乗降ドアは、壁から1ポッチまるまる引っ込めてしまうと彫りが深すぎてかっこ悪いので、1/16インチ(1ポッチブロックの1/5の幅)だけ壁面から狭めさせるための地味で手間のかかる工作を施しています。ドア部分で部品を横使いにした「窓と窓枠」は、くぼみにはめ込んであるだけなのですが、ギチギチに組まれたドア回りの部品構成のためただ横倒しにしたくらいでは外れません。 0232 名鉄2000系ミュースカイ 名古屋と中部国際空港セントレアを結ぶ特急です。色やドア数などで何種類かのバリエーションがある車両ですが、パノラマスーパーとの対比を考え白/青カラーのものを作りました。 本当は、名鉄百貨店からの依頼と聞いて最初に作ろうと思っていた電車は特急ではなく、既に引退した510型という味わいのある路面電車でした。でも「古いのはマニア受けはいいけど子ども向けですから最新車両でお願いします」と名鉄のかたに言われ、ミュースカイ製作となった次第。正直、形がシンプルすぎて見た目の間が持たないのではと危惧していましたが、パンタグラフのある車両を見本にしたことも奏効し、思ったほどではありませんでした。 造作面でのハイライトはやはり顔の雰囲気作りでしょうか。貫通扉(前面の灰色の部分)を部品横組みにして両開きドアの分割線を強調しつつ、ポッチ幅のまま黒と灰色を色分けするとミュースカイに見えなくなる微妙な比率の調整をここに持ち込んでいます。黒塗り部分と運転席窓の透明部品がいい感じでマッチしていると思います。側面のドアや窓の考え方はパノラマスーパーと基本的に同じです。
|