漫画家・松本零士氏のアシスタントであり氏のアニメや漫画に登場するメカニック類のデザイナーでもある板橋克己氏の個展「恒河沙in王子」のために製作したモデル。展示されるイラストをそのままレゴで立体化することを試みた。できあがりのサイズが台座込みで高さが160cm、重さが15kgと、単体モデルとしてはかなりのボリュームを持っている。その自重に構造体が若干負けており、本番展示の際には上部をテグスで吊って安定を保たざるを得なかった。 その作業にあたっては、まず立体化しようとするものの半分の大きさで仮の立体モデルを作り、2次元を3次元に起こす際の整合性やプロポーションの調整を行ってから、実際のモデルをおおまかなブロックごとに仕上げていった。大きな円筒形のパーツが多く、その形を作るためにスロープ部品をこまめにつないて円周状に仕上げていった。 また今回は、徹底的にポッチを排除する方向で造形、ブロックの組む向きの工夫やタイル部品の大量投入などで、一見レゴとは見えないモデルとして出来上がった。また、ブロックの継ぎ目自体もメカのパネルラインとしての見栄えを考え様々なサイズのブロックを投入し、平らな面でも単調にならないよう工面している。 追加要素として造船中の宇宙船も製作。外殻がまだ溶接されていない、まるで透視図のような状態であることが非常にチャレンジングなモデルとなった。こちらもアール部品の多用などでレゴらしさを極力薄めている。 |
元イラスト(板橋克己氏掲載了承済) |
ディテール 仮組み中 |
仮組み中 宇宙船製作中 |